多趣味人ブログ

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東京の高齢者を地方部へ移住させようという動きがあるらしい。

東京の高齢者を地方部へ移住させようという動きがあるらしい。

『300万人以上とされる東京都の高齢者の“受け皿”を作ろうと23日、秋田県内の14法人が「高齢者地方移住推進協議会」を設立。介護施設誘致に向けて動き出した。

 秋田経済同友会が昨秋、県境を越えて老人福祉計画を実施できる構造改革特区を提言したのを受け、同会の有志企業などが協議会を発足。代表に就任した同会元代表幹事で那波商店代表取締役の那波三郎右衛門氏は「自然に恵まれた終の住み家を確保し、老人が若者と共生できる社会を秋田から発信する」と訴えた。

 高齢者の地方移住は日本版CCRC構想などで徐々に進んでいるが「介護が必要になった際の特別養護老人ホームをつくることで、移住促進につながる」と那波氏は説明する。』『 ■日本版CCRC構想 健康な高齢者が東京圏から地方、また地域内で近郊から「まちなか」に移住し、趣味や仕事など活動的に暮らし、医療や介護も継続的に受けられる地域づくり。米国で普及している退職者継続介護コミュニティの日本版として政府が提唱している。

(引用:産経新聞,「東京の高齢者向け施設誘致で協議会 秋田の有志法人」、2021.3.23、https://www.sankei.com/life/news/210323/lif2103230018-n1.html

とのこと。

健康なうちに、地方部に作られた建物に入居し、健康面でのサポートを受けつつ、地域でのコミュニティへの参加をするなどして、生きがいのある人生を送ろうというものらしい。

個人的には、「地方にとってはそれでうれしいのか?」と思う。

高齢者が移住すれば、確かに人口が増えるかもしれないが、それで地方の発展にはつながるとは考えにくい。むしろ社会保障に関する負担や高齢者支援に関する行政の負担が増えるだけではないのか。

また、高齢者が増えれば介護士の雇用が増えるから、地方の若者の雇用につながるという面もあるだろうが、果たして介護の需要が増えたところで、その地域が受ける経済的恩恵は少ないと考えられる。製造業の工場が一つできれば、その工場での大規模な雇用が生まれると同時に、周辺企業にも取引が生じ、最終的に地域全体での雇用の増加や、経済の工場につながる。しかし、介護業では他企業との連関も少ないし、介護士はそうそういるものでもないから、多くの雇用を生み出すには至りがたいのではないか。

そもそもすでに都会は人口過密で高齢者もあふれ、介護士不足で困っているのだろうが、その分若い人も多く、財政的にも余裕があるだろうから、都会の高齢者は都会で何とかしてほしいものだ。地方からすれば、若い人手が欲しいのに、年取って。経済発展に貢献しがたい高齢者になってから地方に来られても困るのではないか。

この計画にいったいどんな意味があり、メリットがあるのだろうか。甚だ疑問である。